コンテンツへスキップ

2021年東京五輪開催期の新コロナ第5波流行の発生要因について

我が国に2020年1月に侵入したとされる新コロナの流行は、1年半に亘って第1波から第5波まで起きた。各波の発生要因および収束要因を検討するために100万人当たりの7日間平均の新規陽性者数(新陽数)の動向を追跡した。

第1波のピークは2020年4月15日の 4.32(×126=544人;12600/100=126;人口1億2600万人の日本全国の新陽数)であった。全国で新陽数が初めて 1.0を超えたのが2020年3月31日であり、ピーク後1.0を割ったのが 40日後の5月10日であり、5月27日には0.23まで低下した。その後、7月2日に1.13を超え、第2波が始まり、8月8日には10.81(1360人)のピークを迎えた後、減少へ向かい9月26日に3.45と下げ止まった。

そこから漸増し、10月3日には第2波のピークの新陽数を超え 10.83になっている。この第3波は 90日余り漸々増が続き、翌2021年1月5日に 30を超え、わずか6日後の1月11日に 51.14(6440人)、19日に48.36(6090人)の二つのピークを描いた。1月31日には 27.50と第1のピークから 20日後(第2のピークから 12日後)に 30を割っている。ピークの立ち上がりからピークまでの経過日数に比べ減少速度はゆっくりしていた。その後もかなりゆっくりと減少し続け、3月6日に 7.41の底を打った。

3月20日に 10.09を数え第4波が始まり、25日後の5月14日に 51.25(6450人)のピークを迎えている。第4波は6月21日の 11.33に底を打った。

そして7月22日には30.47と 30を超え、第5波が始まった。7月29日には 51.71と第3波の極大値を超えているが、わずか9日後の8月7日には 102.76と新陽数は倍増している。そして、さらに 18日後の8月25日に 183.12(23000人)のピークを迎えた。その後の新陽数の減少はかなり急である。ピークから 15日後の9月9日には 98.90、さらに8日後の17日に 49.95、さらに7日後の24日に 23.81まで低下した。10月5日9.99、さらに10月27日現在、2.24と第1波のピーク(4.32)以下、第2波の波底(3.39,Sept. 25, 2020)以下まで低下している。

第5波の場合、新陽数 30→ピーク→30に要した日数は、34日間増加し、ピークから28日間の減少で 30のレベルまで戻っている。ところで、今の新陽数は、第2波、第3波および第4波のピーク後の底値より低いが、第1波のそれらの値より高い状態にある。また、第5波の現在の新陽数のピークからの低下率は98.5%であり、第2波の波底の3.39の69%down、第3波の7.41の86%down、第4波の11.33の78%downより明らかに低下しているが、第1波の波底(0.23)の95%downと同等以下まで低下している。これまでの新コロナ流行の動向と比較すると、流行のピークからの低下率が十分大きく、第1波の流行を収束したと称するならば第5波も収束したと言えそうである。

ここで第1波から第5波までの流行の発生要因および収束要因を検索する。

我が国への新コロナの来襲によって、3月24日に東京五輪2020開催の1年先送りが決まった。引き続き安倍政権は新コロナ流行(第1波)に対して全国的に緊急事態宣言を発した。この宣言時は多くの学校に休校措置が採られ、多くの大学の授業はリモートで行われた。第1波の流行自体、大都市に集中していたが、宣言下において大都市から地方への移動がとくに制限された。その上、たとえ移動先の地方において活動しても、宣言下の地方では人々が密集する機会(感染経路)が少なかったはずである。当時、地方では大都市に比較して確かに新コロナウイルス(病原体)の濃度が低かったはずである。その為、感染成立の機会も少なかったと考えられ、大都市発の新コロナ流行の波を地方で押し上げることもなかっただろう。したがって、新コロナ流行の波が低い場合、我が国では緊急事態宣言が流行を収束させる効果的な手段であったことが示唆されるだろう。この時期、ワクチン接種はまったく為されていなかった。ところで、いわゆる「自然の摂理」を考慮すると第1波の新コロナウイルスが我が国への侵入(粗い検疫で)した際、季節性インフルエンザが小流行しており、例年のように季節性インフルエンザの流行が収束する3月初旬までは、新コロナウイルスの勢力が季節性インフルエンザウイルスを凌駕することが出来なかった可能性が高かったと考えた。

第2波の波立ちは人の流れの増大(多くは夜の街への移動)によって起こったように思う。当時、マスクが不足していた。アベノマスクは焼け石に水に終わった。また、新コロナウイルス対策としての「三密回避」および「咳エチケット」は人々にそれなりに伝わり、理解されただろうが、情報が不足していた「換気」が疎かになり、換気の悪い「夜の酒提供店」でクラスターが多く発生した。この頃、居酒屋がいっきに悪者にされたが、「換気」の重要性が、いわゆる専門家からほとんど説明されなかった。発生が夜の街のクラスター中心だったので、夜の街の監視によって第2波は波静かになったと考えた。

第2波の収束帯は第1波のピークより僅かに低い程度であった。東京以外では「Go To….」が始まり、政府の浅はかな(非調査データ→菅総理の思い込み)「Go To…が陽性者を増やしたというエビデンスは無い」という触れ込みが、第3波の発生の礎になったと考えている。東京発の「Go To….」の開始とともに陽性者が徐々に増え、緩やかな第3波が始まった。この頃から、「Go To…」は問題ないが酒類提供が問題だと言われるようになった。普通に考えれば「Go To…」が直接的要因ではないが、それに伴う行動が要因に成り得るという間接的要因であるだろうことに行き着く。それはそうと、季節的要因とクリスマス・歳末の人出に伴った感染機会の増加と考えられる新陽数のかなり急激な増加があったが、これが第3波のピークの発生であった。 12月中旬から翌年1月中旬の第3波の波高の急増減に変異株、あるいはアルファ株の進出があったと考える。それに加え、この時期に無視できない数の宴会群が開かれ、お酒を酌み交わす宴会群が新陽数を増やした要因であったろうと考えた。一方、2つのピーク後の減少速度は緩やかだった。最大の基礎的要因は季節であり、冬期であったために屋内の暖房確保のために換気が疎かになったことが主要因であったと考えている。そのため、家庭内感染が発生し続けたと考えた。すなわち、この冬に来るだろう第6波では、多数が集まる居間におけて「換気」が感染予防対策の中心であることを示唆している。ただし、筆者の粗い解析による予想なので正しさに関わる信頼性は乏しい。しかし、データに溢れている政府が何の情報を提出しないことと比べれば、それなりの指針になる可能性は秘めているはずである。第3波の収束帯(2021年3月6日・全国7日平均で934人)は、第2波のピーク帯(2020年8月9日・同1381人)の3分の2レベルに止まり、次の第4波のレベルを押し上げたと考えた。また、第3波の新陽数分布は一つの正規分布ではなく、幾つかの正規分布が合体したようにみえる。したがって、第3波のピーク後の減少が緩慢であった上に収束帯が高止まりしたのは、全国各地域での感染拡大が一時期に発生したのではなく、時間差があったことによると考えた。翻れば、第1波および第2波の主な流行は大都市(首都圏・京阪神・中京・札幌・福岡・那覇)で発生し、その他の地方での発生は大都市から地方への移動によって単発的に起こったと考えた。

第4波の新陽数は5月3日にピークを持つ正規分布の上に、5月14日にピークを持つ小さな波が重なったようにみえる。背景として流行地における従来株・アルファ株・デルタ株の組成比の違いがあったと考える。データはないが、第4波は従来株とアルファ株のせめぎ合いにデルタ株が加わった流行の動向だったとの記憶である。関西では、第4波の始まりからデルタ株がかなり入り込んだが、首都圏では、デルタ株の侵入が少なかったと記憶している。記憶が正しければ、5月14日のピークは関西圏の新陽数がやや突出して多かったことによると考えた。従来株とアルファ株の感染経路は主に飛沫感染であるが、デルタ株のそれはマイクロ粒子感染が主体ではないかと予想した。もし、それらの感染経路に違いがあれば、第4波と第5波の波高差を説明出来るかもしれない。これは、全くの予想に過ぎないと言わざるを得ない。それでも予想してみた。感染経路の主体が飛沫感染の従来株・アルファ株の場合、緩い不織布マスク・密着のガーゼ&ウレタンマスクでもそれなりの感染予防が出来ると考えた。実際、第4波の波高は第5波のそれよりかなり低かった。一方、マイクロ粒子感染を主とするデルタ株ではガーゼ&ウレタンマスクでの感染予防は難しく、密着の不織布マスクであっても微量の通過は有ったと思われる。したがって、デルタ株優勢の第5波ではマスクの感染予防効果は限定的であり新陽数は急増加し、第4波の波高の4倍弱まで高まった理由のひとつと考えた。ところで、高齢者の2回目ワクチン接種が始まった頃に第4波の波高は減少に向かった。しかし、さらにワクチン接種が進行したにもかかわらず、第5波が始まった。したがって、ワクチン接種の進行と新コロナ流行との因果の関係に一致性・特異性が得られていない。因果関係の評価ではワクチン接種の進行が、少なくとも流行を収束させていると評価できないと言える。第5波は8月20日に新陽数25,892人のピークが記録されている。7日間平均では8月26日の 23,065人(183.12/100万人対)がピークである。また、10月29日現在、7日間平均 269人(2.21)と急減している。2カ月間に亘って新陽数は減少している。ところで、第5波の急増・急減の要因は公表されていない。急増については、前述したように、第5波はデルタ株優勢の流行であった。加えて首都圏・関西圏の長期間の緊急事態宣言下で居酒屋に行けない若者達が「路上飲み・公園飲み」をすることがきっかけとなり、感染爆発に繋がった可能性があるだろう。また、マイクロ粒子感染のデルタ株優先の流行であったことで、密着した不織布マスク以外の人々の集まりでは、容易に感染が成立し、新陽数が急増したと考えた。さらに、密着した不織布マスクの人々もマイクロ粒子感染のデルタ株によって微量感染しただろう。ただし、これら密着した不織布マスクの人々、また、既感染者、およびワクチン接種者で抗体を得ている人々における微量感染では自然免疫が働き、不顕性感染として発症しなかったと考えた。まさに、不完全なマスク装着の人々における顕性感染者、および不織布マスクを正しく装着した人々等における不顕性感染者が多数かつ一気に発生したことで新陽数が急増した。一方、大勢の顕性感染者および不顕性感染者はともにデルタ株感染によって抗体を獲得しており、大勢の抗体価の高い者たちは新コロナウイルスへの感受性が極めて弱く、抗体を持っていない感受性の強い者が少数のため新陽数が急減したと考えた。まさに、集団免疫を獲得したことが示唆される。したがって、真の新陽数は報告されているより相当に多数であろう。不顕性感染者は新コロナ感染症に罹ったという意識がないのでPCR検査を受けないだろう。不顕性感染者が新陽数に加わることはないだろう。

これまで政府、地方自治体は新コロナ流行に伴う医療のひっ迫に続く差し迫った医療崩壊を阻止することに手を取られ、本来の感染症対策に手が回っていない。例えば、市中の抗体レベルは定期的に調査していない。その為、過去とは比較できないが、現在のように新コロナ流行が収束状態になっている時の人々(市中の非感染者とされている人々)の抗体レベルを把握することで、第5波の波高の急増減の理由の一部を科学的に解明出来るはずである。また、彼らの抗体レベルが高ければ、集団免疫獲得を裏付けることになる。さらに、第6波はこの冬期に確実に発生するだろうが、その波高は少なくとも第5波より数段低いことが期待される。また、政府筋からの主張どおりであれば、重症者、および死者が少数であることが期待される。しかし、新コロナウイルスの変異が本来の生物の生き残りのためであれば、変異株は、感染力は増すが、宿主の重症化および致死能力は抑えるはずである。政府筋の説明では従来株 →アルファ株 →デルタ株に変異する都度、感染力が増し、重症化が強くなったという。実際、感染者数が増えたにもかかわらず、重症者数、および死者数は減った。この現象をワクチン接種による効果であると政府筋は説明している。しかし、この説明を受け入れると、ワクチン接種がウイルスの繁殖・増殖を助長していることになる。したがって、ブースター接種を繰り返えせば、その都度、流行が発生することになる。第6波の波高が第5波より十分低かった場合、政府筋は、筆者の主張する「集団免疫の獲得」ではなく3回目接種が功を奏したと説明するのだろう。しかし、その場合、因果関係の時間性が確保されなければならないので、12月から始まる3回目接種および若年者の2回目接種の接種率の双方ともに60%超は必要だろう。政府筋では第6波は12月に始まり、1月には減少すると予想することになる。また、政府筋は、季節性インフルエンザがインド、およびバングラデシュで流行したことから我が国でも流行する可能性があると喚起している。さらに、昨年、インフルエンザが流行しなかったことから集団免疫が失われており、今年は流行が拡大する恐れがあるとしてインフルエンザワクチンの接種を推奨している。政府筋は、新コロナ対策の三密回避・咳エチケット・手洗いの徹底によって昨年のインフルエンザ流行がなかったと説明してきた。もちろん、ウイルス感染症における干渉があった可能性についても、とりあえず追加説明している。政府筋の説明どおりならば、今冬の季節性インフルエンザは流行しないはずである。平然と、矛盾した説明、さらに保険を掛けた説明を続けてインフルエンザワクチンの接種を推奨している。生産したインフルエンザワクチンが使用されず無駄にならないようにアナウンスしていると勘ぐってしまう。徹底した三密回避・咳エチケット・手洗いが、新コロナに限らずインフルエンザにも極めて有効な予防手段であることが証明される絶好の機会と考える。今年の冬が楽しみである……。

1 thought on “2021年東京五輪開催期の新コロナ第5波流行の発生要因について

  1. tetuando

    新コロナの我が国への侵入が2020年1月と記した。しかし、2019-2020年の季節性インフルエンザの流行は例年(1200-1400万人)の半数(700万人)ほどの患者数に止まり、流行の波も緩慢な上昇と緩慢な下降に止まった。筆者は、この時期に、既に新コロナウイルスは我が国に侵入を果たしていたと考えている。季節性インフルウイルス自体、新コロナウイルスとのせめぎ合いに勢力を削がれ、実際にインフル感染者が例年より大幅に少なかったと考えている。一方、政府筋は、2021-2022年に季節性インフルが流行すれば、昨年(2020-2021年)流行しなかったことによる集団免疫の希薄さという要因が季節性インフル流行に膨大な重症化例の増大があるとしてインフルワクチンの接種を大々的に推奨している。政府筋は、本文にも記したように、昨年の季節性インフルが流行しなかった理由を「三密回避」・「咳エチケット」のお陰であったと指摘した。そうであれば、不織布マスクをしっかり着けている日本国民に季節性インフルが入り込むことは極めて少ないはずである。筆者は、不織布マスク越しの微量のウイルス(新コロナ・インフルに関わらず)曝露は自然(自己)免疫によって不顕性感染に持ち込むことが出来ると主張し、それを生ワクチンと呼んでいる。三回目のワクチンではなく、二回のワクチン接種者の抗体価が十分あることを確かめ、さらに自然免疫を整え、不織布マスク越しの「生ワクチン」という曝露が、安価で安全な新コロナ流行を収束させ、本物の新コロナワクチンの全ての抗原曝露による完ぺきなワクチン効果を得る方法だと考えている。政府筋が、本物ウイルスに感染するのは安全でないと言いそうである。政府筋は、2回のワクチン接種済みによってブレイクスル―感染があっても重症化は無いと声高らかに叫んでいる。矛盾を高らかに叫んでいる......。

    返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Translate »