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新型コロナウイルスは季節性インフルエンザウイルスと競合するか?

2009/2010シーズンの新型インフルエンザの流行時に従来の季節性インフルエンザの流行が無かったと言われています。これはインフルエンザウイルス同士が競合し、新型インフルエンザウイルスが季節性インフルエンザウイルスを駆逐した結果の現象だったのでしょうか。今回は、2008/2009シーズンから2019/2020シーズンのインフルエンザの流行様式を検索し、幾つかの知見を得ましたので皆様に紹介しようと思います。

A(H1N1)pdm09と命名された2009年の新型インフルエンザウイルスは、同年5月9日(19週:5月7日~13日)の成田空港での検疫によって我が国で最初に確認されました。その後、兵庫県・大阪府の高校生を中心に感染が広がりました。実際にA(H1N1)pdm09の患者の増加が目立ち始め、患者定点報告が0を超えたのは2009年30週(7月23日~30日)でした。A(H1N1)pdm09の最大流行(ピーク)は47週(11月19日~25日:一定点当たりの患者報告数は40人)であり、5月からピークまでの累計の患者数が585万人に上ったと報告されています(国立感染症研究所)。翌2010年3月に厚生労働省がA(H1N1)pdm09の流行が沈静化し、第一波の終息を宣言しました。実際のA(H1N1)pdm09の定点報告(サーベイランス)ゼロは、2010年の第9週目(2月26日~3月4日)でした(出典:国立感染症研究所 感染症情報センター)。したがって、2009/2010シーズンのA(H1N1)pdm09の流行開始から終息の期間は32週間だったことになります。2010/2011シーズンからの10年間の季節性インフルエンザの流行期間の平均が27.6週なので、2009/2010シーズンのA(H1N1)pdm09の流行期間は長かったようです。なお、インフルエンザ定点医療機関は小児科約3,000, 内科約2,000で構成されています。また、一定点当たりの患者報告数40人は、全国で1週間にインフルエンザ患者が154万人発生したと推計されます(国立感染症研究所)。

A(H1N1)pdm09の感染が確認されるまでの2008/2009年シーズンの季節性インフルエンザの流行について検索しました。患者発生は2008年46週(11月12日~18日)のAH1型(ソ連型)に始まり、AH1型が優勢(占有率最大7割)を維持しながら、徐々にAH3型(香港型)が加わり(占有率最大2割)流行しました。そして2009年第4週(1月22日~28日:一定点当たりの患者報告数は38人)に流行のピークを迎えました。B型も流行開始の46週(11月12日~18日)から発生しましたが、流行ピーク時の占有率は1割程度でした。流行のピークを迎えた後にはAH1型とAH3型は急速に減少しましたが、代わってB型が増加し、2009年11週(3月12日~18日:一定点当たりの患者報告数は18人)にB型のピークを迎えています。定点患者報告ゼロを2009年24週(6月11日~17日)に迎えています。したがって、2008/2009シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は30週間だったことになります。そして、A(H1N1)pdm09感染の初確認の2009年5月以降、これまでの季節性インフルエンザ(AH1型、AH3型、およびB型)の患者が確認されないまま、翌年2010年の第9週にA(H1N1)pdm09患者の発生が終息しています。

2009年の新型インフルエンザ(A(H1N1)pdm09)ウイルスの日本列島への侵入は、2008/2009シーズンの季節性インフルエンザの最流行時ではなく、ほぼ終息した頃でした。A(H1N1)pdm09患者が初確認された2009年19週(5月14日~20日)から24週(6月11日~17日)の季節性インフルエンザの一定点当たりの患者報告数は、19週3人、20週2人、21週2人、22週2人、23週1人、および24週0人、と低レベルの流行でした。したがって、A(H1N1)pdm09ウイルスがこれまでの季節性インフルエンザウイルスを駆逐して侵入したのでは無かったと言えそうです。それでも2009年30週(7月23日~29日)からのA(H1N1)pdm09の流行は季節性インフルエンザが終息したことと無関係とは言えないと考えます。また、例年の季節性インフルエンザ患者の発生始めは47週頃ですが、2009/2010シーズンのA(H1N1)pdm09患者発生のピークの47週とほぼ一致していました。例年の季節性インフルエンザ患者発生のピークは年度をまたぐ4週 or 5週ですから、2009/2010シーズンの患者数のピークが47週、と例年より11週~12週早かったことは特異的な現象と考えられ、例年の季節性インフルエンザ患者の発生始めである47週と一致したのは偶然ではないでしょう。したがって、A(H1N1)pdm09の日本列島への侵入が例年の季節性インフルエンザの流行期間から外れたことが、A(H1N1)pdm09の特異的な流行様式を呼び込んだのではないかと考えました。

2010年の9週(2月26~3月4日)から44週(10月29日~11月4日)までの間、A(H1N1)pdm09とAH3型は検出されていましたが、一定点当たりの患者報告数はゼロでした。2010/2011シーズンのインフルエンザ患者の発生は45週(11月5日~11日)から少しずつ見られています。48週(11月26日~12月2日)まではAH3型が優位で、A(H1N1)pdm09が1~2割程占めていましたが、AH1型は検出されませんでした。49週(12月3日~9日)から51週(12月17日~23日)まではAH3型とA(H1N1)pdm09がほぼ半々で、一定点当たりの患者報告数は2~3人と低いレベルでした。52週(12月24~31日)から2011年の2週(1月8日~14日)まではA(H1N1)pdm09優位・9割程で、AH3型が1割程度を占め、3週(1月15日)からはB型も検出されています。そして患者発生のピークは4週(1月22日~28日:一定点当たりの患者報告数は34人)でした。その後、A(H1N1)pdm09が急激に減少し、11週(3月12日~18日)に肩ピーク(一定点当たりの患者報告数は17人)を示した時にはA(H1N1)pdm09は検出されず、B型優位で2割程度のAH3型の組合せでした。その後、再び16週(4月16日~22日)に肩ピーク(一定点当たりの患者報告数は8人)を示しましたが、B型優位で1割程度のAH3型の組合せが続いたまま、25週(6月18日~24日)に患者の定点報告ゼロになっています。したがって、2010/2011シーズンではAH1型が検出されないまま一部AH3型とA(H1N1)pdm09優位のA型増減波が発生し、A(H1N1)pdm09の終息とともにB型の小さな増減波があったという特徴がありました。上記のように2010/2011シーズンにおいては2011年の25週(6月18日~24日)に患者発生の定点報告がゼロになりました。したがって、2010/2011シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は32週間だったことになります。また、このシーズンは患者発生においてピークを中心とした正規分布ではなく、2つの肩ピークを持った流行でした。正に、一次感染・二次感染・三次感染が連続する感染症の流行様式ですが、例年とかなり異なった様式でした。AH3型、A(H1N1)pdm09型、およびB型の各ウイルスの勢力争いが繰り広げられたのではないかと思います。この勢力争いの中心がA(H1N1)pdm09型であり、同系のAH1型を駆逐した可能性は否定できないでしょう。

2011/2012シーズンは2011年48週(11月26日~12月2日)から患者が発生し、52週(12月24日~31日)と2012年1週(1月1日~7日)に患者発生は低レベルながらほとんどがAH3型のプラトー(平坦域:一定点当たりの患者報告数は5人)を示しました。2012年2週(1月8日~14日)からはB型が加わり、AH3型は3週(1月15日~21日)に最大の占有率(9割程)を占めてからその割合を減らし、15週(4月16日~22日)には1割以下の占有になっています。AH3型の検出はその後、何と翌2013年24週(6月11日~17日)まで続きました。一方、2012年2週(1月8日~14日)からはAH3型にB型が加わった患者発生になりました。3週(1月15日~21日)以降のAH3型占有率の減少とともに増えたのはB型でした。しかし、前年の2010/2011シーズンでは患者発生の終息をB/ビクトリア系単一で迎えていますが、この2011/2012シーズンのB型は単一ではなくB/ビクトリア系に遅れてB/山形系が2~3割を占有しました。このシーズンのピークは2012年5週(1月29日~2月4日:一定点当たりの患者報告数は42人)で、AH3型7割、B/ビクトリア系2割、そしてB/山形系1割の占有割合でした。一定点当たりの患者発生報告ゼロは23週(6月4日~10日)に迎えています。したがって、2011/2012シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は27週間だったことになります。このシーズンにおけるA(H1N1)pdm09の患者発生は報告されませんでした。2009年30週(7月23日~30日)から流行したA(H1N1)pdm09 は2011年11週(3月12日~18日)までの86週間で日本列島から消滅したように見えました。

しかし、2012/2013シーズンにはA(H1N1)pdm09が検出されています。それでもその占有割合は高くとも2%程度とパンデミック性は失われた状態でした。特筆すべきは、A(H1N1)pdm09の近似系統であるAH1型(ソ連型)が発生しなかったことです。A(H1N1)pdm09がAH1型を単純に駆逐したのではないでしょう。AH1型は検出されませんでしたがA(H1N1)pdm09も占有割合は微少でした。むしろ、A(H1N1)pdm09とAH1型をAH3型が駆逐したのではないかという状況です。このシーズンの患者発生は2012年48週(11月26日~12月2日)でした。2013年4週・5週(1月22日~2月4日:一定点当たりの患者報告数は36人)にピークを迎え、2013年25週(6月18日~24日)に患者発生報告ゼロを迎えました。したがって、2012/2013シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は29週間だったことになります。2011/2012シーズンと同様にAH3型優位の増減とその減少に伴いB/ビクトリア優位・B/山形系が占める状態でB型の衰退とともに患者発生報告が上述のように25週に終息しています。

2013/2014シーズンはAH3型が流行の先駆けでしたが、本格的に流行した時にはA(H1N1)pdm09が最大5割強を占有し、AH3型とB/山形系がそれぞれ2~3割、B/ビクトリア系が数%~1割を占有していました。2013年49週(12月3日~9日)から患者発生があり、ピークは2014年5週(1月29日~2月4日:一定点当たりの患者報告数は35人;A(H1N1)pdm09・4.5割、AH3型2割、B/ビクトリア系1割、B/山形系2.5割)でしたが、9週(2月26日~3月4日)および11週(3月19日~25日)でも一定点当たりの患者報告数が30人および23人(A(H1N1)pdm09・3割、AH3型2割、B/ビクトリア系2割、B/山形系4割)と流行の高波が続きました。患者発生が終息したのは24週(6月11日~17日)でした。したがって、2013/2014シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は27週間だったことになります。このシーズンにはA(H1N1)pdm09の流行が戻っています。A(H1N1)pdm09はしぶとく生き残っていたのですが、2009/2010シーズンほどの占有割合は示しませんでした。また、B/山形系がB型の寡占系になっており、B/ビクトリア系との勢力争いを繰り広げて生き残った可能性があるかもしれません。

2014/2015シーズンはAH3型単独で2014年45週(11月5日~11日)から患者が発生し、AH3型単独のまま52週(12月24日~31日)にピーク(一定点当たりの患者報告数は28人)を迎え、さらに2015年1週(1月1日~7日)に一定点当たりの患者報告数が22人と患者発生数が減少しました。しかし、2週(1月8日~14日)に患者発生数が増加に転じるとともにAH3型にB/山形系が加わりました。4週(1月22日~28日:一定点当たりの患者報告数は40人)に迎えたピークはAH3型優位(9割超)とB/山形系(1割未満)の混合型でした。2015年4週のピーク以降はAH3型の占有割合が減少し、14週(4月9日~15日)から17週(4月30日~5月6日)まではほぼB/山形系のみの低いレベルの流行でした(一定点当たりの患者報告数は3~4人)。2014/2015シーズンの患者発生は2015年23週(6月4日~10日)に終息しています。したがって、このシーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は30週間だったことになります。2014/2015シーズンではA(H1N1)pdm09は流行しませんでした。

ところが2015/2016シーズンにはA(H1N1)pdm09が流行波の中心として戻っています。2015年23週(6月4日~10日)~50週(12月10日~16日)の患者発生報告ゼロの中、2015年36週(9月3日~9日)からA(H1N1)pdm09は検出され始めています。患者発生が始まった2015年51週(12月17日~24日)にはA(H1N1)pdm09とAH3型が半々の割合で検出されていますが、同時にB/山形系も1割程検出されています。2016年6週(2月5日~11日)に迎えた2015/2016シーズンのピーク時(一定点当たりの患者報告数は41人)にはA(H1N1)pdm09・5割、AH3型0.5割、B/ビクトリア系2.5割、B/山形系2割の構成の患者発生でした。患者発生報告ゼロは2016年21週(5月14日~20日)に迎えています。したがって、2015/2016シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は22週間だったことになります。A(H1N1)pdm09は患者発生のピーク6週以降減少しましたが、20週(5月7日~13日)まで検出されていました。2015/2016シーズンはA(H1N1)pdm09患者の再発生に拘わらず、AH3型の占有率は微少でAH1型は検出されませんでした。一方でB/ビクトリア系よりB/山形系の方が若干その占有率が高い上に、A(H1N1)pdm09 の減少とともに両B型の占有率が9割超(一定点当たりの患者報告数は10~13人)でした。

2016/2017シーズンはAH3型優位(9割超)で微少(数%)のA(H1N1)pdm09が加わり2016年44週(10月29日~11月4日)から患者が発生し、2017年2週(1月8日~1 4日)までほぼ同じA型系の組合せが続きました。2016年49週(12月3日~9日)頃からはB/ビクトリア系、さらに2017年2週(1月8日~14日)からはB/山形系が加わり、3週(1月15日~21日)にピークを迎えました(一定点当たりの患者報告数は40人;AH3型9割、A(H1N1)pdm09・数%、B/ビクトリア系1割、B/山形系・数%)。その後AH3型優位で微少のA(H1N1)pdm09という比率のままA型系が占有割合を減らしましたが、低い肩ピークを示した15週(4月16日~22日)にはA型系として2割、B型系6割(B/ビクトリア系3割、B/山形系3割)でした。その後、B型系優位のまま2017年21週(5月14日~20日)に患者発生報告はゼロになりました。したがって、2016/2017シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は29週間だったことになります。このシーズンの全体の各インフルエンザウイルス型の組成は、A(H1N1)pdm09・4%、AH378%、B/ビクトリア系9%、B/山形系8%、B型不明1%と報告されています(国立感染症研究所)。

2017/2018シーズンは患者発生前からA(H1N1)pdm09とAH3型がほぼ半々のA型系優位(9~7割)で、1~3割のB/山形系が検出されていましたが、2017年47週(11月19日~25日)から患者が発生しました。患者発生から暫くの間、A(H1N1)pdm09(7~4割)でAH3型(2~3割)のA型系優位で、B/ビクトリア系をほとんど含まないB/山形系(1~4割)の混合型で2017年51週(12月17日~23日)に小さなピーク(一定点当たりの患者報告数は18人)を迎えています。その後、A(H1N1)pdm09とAH3型の占有割合をAH3優位に変えながらA型系は全体の占有割合を減らしましたが(3割)、代わってB/ビクトリア系をほとんど含まないB/山形系のB型系が増加して(4~7割)、2018年3週(1月15日~21日:一定点当たりの患者報告数は53人)、4週(1月22日~28日:一定点当たりの患者報告数は53人)、および5週(1月29日~2月4日:一定点当たりの患者報告数は55人)の3週連続の大流行波的ピークを迎えています。その後、B型系だけが減少し、患者発生が17週(4月30日~5月6日)に止まった際は、微小のA(H1N1)pdm09を含むほとんどAH3型のA型系でした。したがって、2017/2018シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は22週間だったことになります。このシーズンはA(H1N1)pdm09が先行しB/ビクトリア系が加わった大流行波の発生と流行終息時にほとんどAH3型のみが検出されたことが特徴と言えるでしょう。このシーズンはA(H1N1)pdm09・23%、AH3型32%、B/ビクトリア系1%、B/山形系43%の占有率でした(国立感染症研究所)。

2018/2019シーズンは2018年48週(11月26日~12月2日)から患者が発生しました。患者発生前はA(H1N1)pdm09が圧倒的優位に検出されましたが、その発生時(48週)にはAH3型の占有率が1割を占めるようになっていました。この傾向は2017/2018シーズンと同じでした。その後、2019年1週(1月1日~7日)まではA(H1N1)pdm09が優位(7~5割)のまま、AH3型(1~5割)が加わった状態で一定点当たりの患者報告数が18人の患者発生に至っています。2019年2週(1月8日~1 4日)から15週(4月16日~23日)まではA型系優位(10~8割)でAH3型(6~7割)、A(H1N1)pdm09(4~1割)、また3週(1月15日~21日)からはB/ビクトリア系(0~2割)が加わった混合型で3週(1月15日~21日;一定点当たりの患者報告数は54人)・4週(1月22日~28日;一定点当たりの患者報告数が57人)の2週間に渡っての大流行波のピークを迎えました。2019年13週(4月2日~8日)から患者発生報告がゼロになった20週(5月7日~13日)までの患者発生にはB/ビクトリア系の増加(2~4割)が報告されており、15週(4月16日~22日)には小さなピーク(一定点当たりの患者報告数は3人)がありました。したがって、2018/2019シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は24週間だったことになります。患者発生報告がゼロになった20週(5月7日~13日)から26週(6月25日~7月1日)においてB/ビクトリア系が優位な占有割合で検出され、25週(6月18日~24日)からはA(H1N1)pdm09が優位な割合で検出されています。2018/2019シーズンはA(H1N1)pdm09先行優位、AH3型追随、そしてAH3型優位の流行であったと言えそうです。前年の2017/2018シーズンに猛威を振るったB/山形系が出現しませんでした。2018/2019シーズンはA(H1N1)pdm09・36%、AH356%、B/ビクトリア系7%の占有率でした(国立感染症研究所)。

続く2019/2020シーズンは2019年36週(8月3日~9日)からA(H1N1)pdm09優位の患者発生がありました。46週(11月11日~17日)にはA(H1N1)pdm09が増加傾向を示しています。また、51週(12月16日~22日)からB/ビクトリア系が増加しはじめ、2020年9週(2月26日~3月3日)以降はA(H1N1)pdm09を上回りました。一方、AH3型の検出は少なく、B/山形系はほとんど検出されていません。2020年17週(4月17日~23日)以降、インフルエンザウイルスは検出されていません。したがって、2019/2020シーズンの季節性インフルエンザの流行開始から終息の期間は34週間だったことになります。このシーズンはA(H1N1)pdm09・86%、B/ビクトリア系・12%、そしてAH3型・2%の占有率でした(国立感染症研究所)。患者発生には2019年52週(12月23日~31日:一定点当たりの患者報告数は18人)と2020年2週(1月8日~14日:一定点当たりの患者報告数は16人)に2つのピークがありました。したがって、2019/2020シーズンのインフルエンザの流行波の期間は若干長いようでしたが、流行波の幅はこの10年間で最も小さかったと言えるでしょう。

以下は【都道府県別】新型コロナウイルス感染者数のトラジェクトリー解析

https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan_trajectory.html を参考に記述しました。

我が国で新型コロナウイルスの患者(この場合はPCR検査陽性者)が報告されたのは2020年3月18日(12週;3月18日~24日;人口100万人当たり陽性者数2.3人/7days)です。この第一波は4月14日(15週;4月8日~14日)に陽性者数のピーク(人口100万人当たり30.2人/7days)を迎え、5月25日(21週;5月20日~26日)に収まった(人口100万人当たり陽性者数1.6人/7days)と記録されています(終息はしませんでした)。第一波が小さな波で収まった理由として、感染力がそれほど強力でない武漢型の新コロナウイルスに侵襲された後の欧州型新型コロナウイルスの侵襲だったからだと言われています。本著者は、季節性インフルエンザウイルスが残っていたことによる影響があった可能性を指摘したいと思います。この &o 説が正しいならば、第二波が第一波より大きな波になった理由として、世間が言う「新型コロナウイルスの遺伝子変異」に限定されているのではなく、新型コロナウイルスの増殖に季節性インフルエンザウイルスの邪魔が入っていないことも要因と指摘することになります。

その後、6月17日(25週;6月17日~23日)に第二波が始まったようです。第二波のピークは8月8日(32週;8月5日~11日)で人口100万人当たり76.9人/7daysの陽性者数と記録されています。また、9月23日(39週;9月23日~29日)現在の人口100万人当たり陽性者数は23.6人/7daysで、全国レベルでは概ね陽性者数は減っています。北海道、東京都、愛知県、および大阪府は9月9日(37週;9月9日~15日)に一旦極小が記録されています。このうち大阪府の現在の陽性者数は、先の極小より減っていますが、北海道の陽性者数は先の極小以降増え続けています。また、沖縄県は9月17日(38週;9月16日~22日)に極小が記録されていますが、極小記録後に陽性者数は増え続けています。北海道および沖縄県の陽性者数の増加を見ると、Go To Travelという人々の移動が影響していることが予想されます。

例年、季節性インフルエンザウイルスの患者が発生するのは45週(11月3日~10日)頃からです。季節性インフルエンザ患者が発生し、増加に向かう時、新型コロナウイルス陽性者数が減少に向かえば、季節性インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの勢力争いが起きていることが期待出来ます。一方で、45週になっても季節性インフルエンザの患者が発生しないのであれば、新型コロナウイルスが季節性インフルエンザウイルスを一時的に駆逐したのかもしれません。近未来であっても「予想」は「よそう」ですが、あと4、5週間後(11月3日頃)の新型コロナウイルス陽性者数の動向に注視したいと思います。もちろん、来週後半(10月3日)からのGo To Travelと新型コロナウイルス陽性者数の動向も注視しなければなりませんが…….。

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