世襲議員が蔓延る原因 日本の選挙制度にある

なぜ、世襲選挙に注目が集まるのか。その原因は日本の選挙制度にある。

公職選挙法には、参院選は投票日の「少なくとも17日前」、衆院選は「少なくとも12日前」に公示しなければならないと規定されている。この規定によって選挙の公示が行われた後、遅くともその12日後又は17日後には投票が行われる。国民は、この僅か2週間ほどの間に、立候補者の誰に投票するかを決めなければならない。

国民は、被選挙人がどのような人物であるかの情報を一切持ち合わせていない。国民が、僅か2週間ほどの間に、投票すべき候補者を選定することはほとんど不可能なのだ。結局、国民は、どこの馬の骨とも分からない候補者よりは、多少なりとも素性の知れた有名な国会議員の血縁関係にある候補者を選び投票する。これが、世襲議員が蔓延る原因である。

岸田総理の息子は「実績ゼロ」なのに大出世…金も権力も「なにもかも世襲」になったニッポンの「ヤバい未来」

現代ビジネス 2023.03.30 週刊現代

生まれ持った地位や財産に関係なく、幸せになれる世の中を作ろう―そんな先人たちの思いを、国のトップたる岸田総理が嘲笑う。いつから日本は、親の力で人生が決まる国になってしまったのか。

銀の匙をくわえた二人
「門閥制度は親のかたきで御座る」

貧しい下級武士の家に生まれ、下駄作りで家計を助けた少年は、苦学の末に幕臣となり、遣米使節として「咸臨丸」で海を渡った。江戸開城の年、彼は自らの私塾を「慶應義塾」と名づける。

冒頭の一文は、福沢諭吉翁が『福翁自伝』(1899年刊)で語った有名な言葉である。「義塾」には「学費のいらない学校」の意味が込められていた。

それから120年あまりが経った。いま皮肉にも、慶應義塾大学を出た二人の若者が親の富と権勢を世襲して、政界入りしようとしている。

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